この日は前日の大雨が嘘のような快晴だった。
もう実家へと戻るだけであるためゆっくりとした朝を過ごすことができた。
帰る準備を整え名古屋駅へと向かう。
9時20分、東海道本線の上り列車はその車体を東京方面へと走らせ始めた。
浜松、島田、熱海、小田原と東海道本線を乗り継いでゆく。
そして小田原からは湘南新宿ラインを用いることとなる。
この路線は宇都宮行きもあるのだが、時間の関係で高崎行きを使わざるを得なかった。
そのため赤羽で宇都宮線に乗り換えることとなった。
赤羽ともなるともはや旅の雰囲気も薄れてくる。
もう何度も利用したことのあるグリーンとオレンジのボディは故郷を想起させた。
締めくくりは贅沢しようと、グリーン車を選択した。
のんびりとした各停列車だが、その一駅一駅が旅の終わりを改めて実感させる。
大宮やら蓮田やら久喜、古河、小山と主要駅でどんどん人は少なくなってゆく。
残り小金井、自治医大、石橋、雀宮の四駅を過ぎれば、この旅の終着点、宇都宮駅である。
そしてついにその時はやってきた。17時19分、列車は宇都宮駅に到着した。
この時をもって、私の「青春18きっぷの旅 2012 夏」は終了となる。
先述の通り、実に濃密で実入りのある旅であった。
だが果たして私はこの旅を通じてどれだけ成長できたのだろうか。
見聞は確かに広がった、しかしそれだけで終わってしまった気がしてならない。
やはり5日間というのは些か短かったのかもしれない。
欲を言えば1つの地にもっと時間をかけてみたかった。
その土地に根ざした文化や伝統をもっと知りたかった。
もっと多くの人と出会いたかった。
初めての一人旅で要領よく行かなかったことも多々あった。
などと、悔やまれるべきことが多いのだ。
おそらく今後も一人旅をする機会はあるだろう。
今回の旅で得られた教訓を活かすことができればそれは成長と言える。
それがいつになることか私自身にも分からない。
そのいつかがそう遠くない時期に来ることを願う。
反省することも多かったが、総合的に見て満足度の高い旅だった。
非日常空間に身を置くことができ、それだけで心は満たされるものだ。
本当はここに書ききれないほどのエピソードがある。
その全てを語れないのは残念でならないが、自分の中で留めておくことがあってもいいのかもしれない。
是非皆様も旅をして、自分だけの記憶を残してみてはいかがだろうか。
私の青春はひとまずここで区切りとなるが、自分の中では永遠に青春は続くつもりであるため、
いずれまた18きっぷで旅をしようと思う。
長々と、そしてくどくどと書かれたこれらの記事を最後までお読み下さった皆様に心より感謝し、終わりとする。
鉄道営業キロ数にして2532.4㎞という長旅であった。
JR東日本、JR東海、JR西日本、神戸新交通と4つの鉄道会社と34の駅を用いた旅は、
5日間とは思えない行程だった。
我ながらハードなスケジュールを組んだと思う。
次回があるかどうかは分からないが、あるとしたらもう少しのんびりした日程を考えよう。