最終日 JR難波→鷹の台



旅最終日。

この日は鷹の台へと帰るのだがもちろん素直には帰らないので、

やっぱり朝は早く、6時10分に起きた。

男2人だと準備も大してかからないので予定よりちょっと早めの出発となった。

6時59分、JR難波から一駅の今宮に行き、大阪環状線に乗り換える。

イカしたレトロボディの車両に乗り込み、大阪へと向かう。

7時24分、大阪に着いた。

少々時間があったため、コーヒーを流し込み、さらに渡すアテのないお土産も購入。

8時ジャスト、京都線に乗り草津を目指す。

大都市圏というだけあり流石に混雑していた。

そこかしこで聞こえる大阪弁が実にファンキーである。

カワサキも心なしか笑っているようだ。

1時間ほど乗車しすると草津へ着いた。

さて、ここからは草津線に乗り換え、柘植に向かう。

本当にただ乗り潰しのためだけの路線である。

山がちの田舎をずんずん突き進んでいく。

JR難波駅
朝のJR難波駅。
大阪環状線
レトロなカラーリングの大阪環状線 。
大阪駅
大阪駅。眼下にホームを臨む。
京都線
京都線新快速で草津へ。


9時49分、柘植に辿り着くやいなや、カワサキが口を開く。

カワサキに「柘植には大学ないのかな」

俺「? いや流石にないんじゃない」

カワサキ「柘植(つげ)大学…

俺「あぁね、あぁね、うんまぁ確かにあそこと字面は似てるけども!!」

柘植の字面がカワサキの琴線に触れた。

漫才やれるくらいのテンションになってきた。

ここも全然人がいない田舎であった。

ところで、駅員さんにスタンプをお願いすると、

500円」と言われた。

東京にいるとなかなか出会えない関西気質がニクいぜ。

私も負けじと「出世払いで」と返すと、

期待しないで待ってるから」とスタンプを出してくれた。

こういう駅員さんが全国にいればいいのになぁ。

ここでは45分という微妙な待ち時間だったが、

カワサキの強い要望で周囲を散策することにした。

草津線
草津では乗り換え時間が少なかったためボディしか撮れず。

田園風景が続く。

私が買った新聞を読むペンギン。
柘植駅
柘植に大学はない。

こういうのどかな踏切にノスタルジーを感じる。

右側の、熊鷹神社への道を行く…。


山の中にある駅だったのでどちらかと言えば探検に近いのだが、

とりあえず熊鷹神社という神社がある山道の方に行ってみる。

10月も半ばを過ぎているというのに、この日は陽射しが強く、暑いくらいだったが、

カワサキは涼しい顔をして登っていく。

カワサキ「楽しい

おおそうかそうか、それはよかった。

私も一人じゃ絶対しないようなことだから楽しいわ。

本当に。

行き先も分からぬまま進んでいくと、そこには…









獣害!?

獣害ってあのクマとかイノシシとかの獣害!?

こいつぁクマった…。

なんと恐ろしいところに来てしまったのか…。

そんなことも意に介さず先へと進むカワサキ。

俺「行くの!?」

カワサキ「行こう」

俺「マジで!?」

カワサキ「マジで」

俺「でも獣害が…」

カワサキ「まぁ大丈夫でしょ」

確かに獣に出くわすなんてことは万に一つもないだろう…。

とりあえずおっかなびっくり柵を開け、前へと進む…。

だが歩けど歩けど一向に神社は見えてこない。

このままだと際限がないし、何となく薄気味悪いので

引き返さないと間に合わないと伝えた。

渋々ながらも承知してくれたカワサキはやはり話が分かる男だ。

汗みどろになりながら戻ってくると、

既に列車は柘植駅に入っていた。

特にこれと言って面白いものがあったわけではないが、

柘植の山中でのドキドキ感は小学生以来の昂ぶりであった。

11時24分、ここからは関西本線に乗り、亀山を目指す。

亀山と言えば液晶の産地として世界的に有名な街である。

30分程山道を行き、大都会亀山にいざ降り立つ…!!



何もねぇ。

マジか。

世界の亀山、もうちょっと栄えてろよ…。

期待が大きかった分拍子抜けだがまぁこんなもんでしょう。

どうせ次は名古屋である。

気を取り直して11時24分、関西本線快速で名古屋に向かう。

先ほどの亀山から管轄がJR西日本からJR東海になり、

駅名標が味のあるフォントに変わった。

この区間は結構川が多い。

そして全体的に穏やかな雰囲気を醸し出している。

12時35分、日本第3の都市、名古屋に到着した。

本来名古屋は乗り換えだけで終わる予定だったのだが、

柘植でのハイキングでいい塩梅に疲れていた我々は

1本遅らせ、休息を取ることにした。

と言っても30分ないくらいなので

蕎麦屋で肉蕎麦をかっ込むだけかっ込んで終わってしまった。

カワサキ「観光したい」

俺「ごめんダメ」

カワサキ「観光したい」

俺「ダメ」

カワサキ「はい」

この件に関しては本当に申し訳なく思っているがもう開き直るほかない。

関西本線
ワンマン運転の関西本線。

山を往く。

川を往く。

橋を往く。

名古屋駅。時間がなかったので駅名標だけです。

15分ほどでかっ込んだ肉蕎麦。


さて、名古屋から素直に東海道本線に乗ればいいのに

我々は中央本線に乗り込んだ。

東京からはるばる名古屋まで続いていることを考えると感慨深い。

これで多治見まで行き、またしても寄り道をする。

次に乗るのは太多線

この路線は一風変わった駅名がある。

俺「姫駅だって」

カワサキ「へぇ」

カワサキ「可児でかにて」

俺「あぁ」

それぞれ反応するポイントが微妙に違うのが可笑しい。

私はこのとき、いずれ「王子→姫」の乗車券を買いたいなんてことを

考えていたので上の空だったということを付け加えておく。

終着・美濃太田には14時16分に到着した。

美濃太田も比較的大きい駅の筈なのだが、駅前は非常に閑散としていた。

ちょろっと散策してみるも特にこれと言った見所はなかったのでさっさと戻って来た。

まだ陽射しがあり暑かったので、ソフトクリームを食べてリフレッシュ。

再び多治見を目指す車内では爆睡こいてしまい、 気付くと15時36分、既に多治見に到着していた。

一度通ったことのある路線はどうしても気が緩んでしまう。

中央本線
中央本線瑞浪行。
太多線
太多線もいい感じのローカル線。
美濃太田駅
ひっそりとしていた美濃太田駅。

太多線で爆睡するペンギン。


ここからはもうずっと中央本線で突き進む。

多治見→中津川塩尻へと進んでいく。

塩尻に着く頃にはもう18時50分、どっぷりと日が沈んでいた。

塩尻はJR東海とJR東日本の境界駅であるため、本日2度目となる駅名標の変化。

中津川駅
中央本線瑞浪行。

秋の夕暮れと線路の親和性の高さよ。。

寂しげな街中。
塩尻駅
塩尻駅。


今度は中央本線の支線・辰野支線に乗車する。

ここをクリアすれば中央本線も完乗ということになる。

だが支線は支線で直通がないため、一度乗り換える必要がある。

ひとまずのところ支線の名前にもなっている辰野を目指す。

辰野に着いたのは19時18分。

流石に腹も減ってきた。

駅前は何もない。

少し歩いてみてもシャッター街が続くばかり。

反対方向に向かってみると、煌々と光る灯りが。

一縷の望みを託して歩を進めるとそこには…



ハッピードリンクショップ。

むしろただの自販機でアンハッピーだわ。

まぁ夜も深まり大分寒かったので温かい飲み物が手に入るのは助かったが。

恐るべし辰野支線。

19時46分、辰野を発ち、岡谷に向かう。

岡谷での乗り換え時間は6分しかないが、

キヨスクがあるとの情報をゲットしたので、一度改札を出るも、

既に閉店時間を過ぎていた。

空腹感が募るも、仕方がないので1時間30分かけ甲府へ行く。

車内では喋って気を紛らわすくらいしかできなかった。

俺「疲れたね」

カワサキ「次はちゃんと観光しましょう」

俺「あ、はい」

カワサキ「あと飯はちゃんと食べたい」

俺「あ、はい」

カワサキ「柘植は楽しかったけど

俺「マジか」

辰野駅
何もなかった辰野駅。
岡谷駅
キオスクが閉まっていた岡谷駅。
岡谷駅
岡谷でようやく新宿が案内された。
中央本線
中央本線。初日に見たのがもう懐かしく感じる。


甲府からはまた1時間半の乗車であるが、

長い長い山梨の山中も時間が経てばいずれ終わる。

23時、2日ぶりの高尾にようやく着いた。

家に帰るまでが旅ではあるが、東京に入ればもう帰ったも同然である。

その後はあっという間に鷹の台に辿り着いてしまった。

高尾駅
2日ぶりの高尾駅。
拓殖大学
つ、拓殖大学…。
鷹の台駅
鷹の台駅。ただいま。
なすの辛味噌定食
駅前の松屋で遅めの夕食。お疲れ様でした。


無謀な旅はもうやめようと誓うこと数度。

今回もやっぱり無茶っぷりは変わらなかった。

でも色々妥協したので進歩はしてるはず

今回は勉強となる旅だった。

一人ではない鉄旅は色々と気を遣う点が多いことを学んだ。

気ィ遣ってないけど。

ついてきてくれたのがナイスガイ・カワサキくんだったからよかったものの、

これ他の人とやったら十中八九怒られる。

次誰かと鉄旅するときは主張しすぎないように注意したいと思います。

というわけで、引っ張った割にあっさりまとめた

2014秋の北陸・関西旅行なのであった。