◯本州最北端の駅へ
0450時起床。昨夜雨が降ったのか少々肌寒い。暑いけど。0537時青森発の列車で野辺地へ向かう。青い森鉄道は左手に陸奥湾を望みながら走っていく。微睡みとの狭間で着いた野辺地で大湊線に乗り換える。ローカル臭漂う中、ボックス席を独り占めして陸奥湾に視線をやる。途中、高校生が沢山乗り込んできた。本数も少なく、毎朝これで通うのは大変そうだ。しばらく揺られ、本州最北端の駅・大湊に到達。残念ながら小雨がぱらついていた。まだ朝も早いというのにこぢんまりとした待合室には大勢の家族連れが。夏休みだということを見せつけられる。折り返しの快速列車で再び野辺地を目指す。
青森駅。青い森鉄道で野辺地へ。
野辺地駅。本州最北端の駅へ。構図が一緒なのは気にしない。
朝日を湛える陸奥湾。
本州最北端・大湊駅。
味のあるホーロー看板と見送る駅員さん。
駅名標にも力を入れている。
◯八戸ときえはショートヘアかわいい
今度は浅虫温泉を目指す。また北上するのは、何を隠そう、鉄道むすめがいるからに他ならない。浅虫温泉は前日のうちに買っておいたフリーきっぷで下車。窓口で下車印を頼んだら「これに押しちゃっていいんですか」と驚かれる。いいんです。この駅には「モーリーズカフェ」という青い森鉄道のアンテナショップがある。可愛らしい店員さんでレジに持って行くのが少々恥ずかしいが、旅の恥はかき捨て。毅然とした態度で鉄むすのミニスタンプセットをゲットした。さてここで小休止。ホットコーヒーとくじら餅スティックという謎の食べ物を頂く。おお、これは思いの外美味いではないか。ゆべしみたいなお味。のんびり時間を潰し、1055時の八戸行に乗車。しばらく山沿いを走ることとなる。
青い森鉄道の車窓から。
浅虫温泉駅に入線する列車。
鉄道むすめ・八戸ときえ。かわええ。
くじら餅スティックは小腹を満たすのに丁度いい。
◯午後、久慈
定刻通り八戸に着いたが、乗り換えまであまり時間がないので大急ぎで駅スタンプ、駅舎撮影、駅弁購入を済ます。1222時発の八戸線に乗り込む。ぐぁあ、想像以上にジモティーでいっぱいだ…。ボックス席は確保できたが山側だったのが悔しい。反対側の車窓から見える海を指くわえて眺めつつ、さっき買った駅弁「ひと口いなり海鮮天むす」を食むことにする。う、美味い、美味すぎる!! 急いで選んだ割に当たりを引けたようだ。途中で隣の老夫婦が降りたので、遠慮なくそちらへ移動させてもらった。
うわー!! 最高だよこれは!! 窓も開くので潮風が直に入ってくる。海側のシートで夏とは思えぬ涼しさを満喫する。いいよ、八戸線最高だよ! としばらくは眼前に広がる太平洋の眺望を楽しめていたのだが、陸中中野を過ぎると一転して深い山の中へと進んでいく。鬱蒼とした山の中、交わる踏切は一体誰が使うんだろう…。侍浜を過ぎると雨が降り出した。なんだか毎回4日目くらいで雨に降られる気がするなぁ。陸中夏井-久慈の間でようやく街が見えてきた。久慈には定刻を3分ほど遅れての到着となった。
八戸駅。来駅記念。
八戸線。津軽線に似た紅白のツートンカラー。
ひと口いなり海鮮天むす。割高だったが相応の味。満足。
窓から潮風が吹き込んでくる。
突如現れた踏切。
久慈駅到着。下り線が待機していた。
◯潮騒のヒトリー
久慈駅。JRの駅舎は割と立派な感じだが、隣の三鉄の駅舎は昔ながらのレトロな雰囲気が残っていてこれまた良い。次の三鉄北リアス線の発車までむちゃんこ時間があるので街を散策することにした。ここ久慈は「あまちゃん」の街として一躍注目を集めた。未だにそこかしこに北の海女を彷彿とさせる(というかそのまんまの)ものが多い。じぇじぇ。ただ、栄えているかというとそうでもない。観光とかそんなに興味のない私は、特に見るものもなかったのでさっさと駅に戻る。ここまでで結構散財したので悩んだが、復興記念入場券セットを買うことにした。がんばれ三鉄。さて少し早いが宮古行の列車をホームで待つことに。跨線橋には「不思議の国の北リアス」という横断幕。このセンス、嫌いじゃない。
三鉄久慈駅。駅前にはあまちゃんの顔出し看板。じぇ。
もちろん待合室にもあまちゃん。じぇじぇ。
駅前のシャッターにもあまちゃん。じぇじぇじぇ。
不思議の国の“北リアス”。ちぇしゃ。
◯住めば宮古
列車に乗り込む頃には雷が鳴り始めた。陸中宇部に着く頃には大雨になったし、不安が募る。さてそんな中、乗務員のアナウンスが車内に響く。「この先野田玉川までの区間は先の東日本大震災で路線が流されるなどの被害を受けた区間です。」確かにそこかしこで土地の造成などが行われているようだ。三鉄はよく早い間の復旧ができたものだと嘆息。南リアス線もトンネルが多かったが、こちらも大概である。トンネルと雨のダブルパンチで全然景色が見えなかった。駅も森の中にあるしマジで利用者はいるのだろうか。そもそも圏外ばっかだし。心配された雨も宮古に着く頃には上がっていた。定刻通り。
三鉄北リアス線で久慈から宮古へ。
大雨で折角の景色もよく見えず。
突如現れた三鉄車両。津波の爪痕かと思いきやただの水門らしい。
三鉄宮古駅。
◯もいっちんぐ待ちこ先生
三鉄の方でスタンプ押したりなんだりともさこいていたが、山田線の改札はまだ始まっていなかった。まだ残る有人改札は味がある。これほどスカスカの時刻表では自動改札機を設置するだけコストが嵩むのかもしれない。中高生が多そうだったので改札開始と同時に座席を確保し、ゆったり写真撮影へ。発車する頃にはさすがに日が大分傾いていた。山田線は本数も少ないし寂しい路線だと思ったが道路と併走しているからか、そうでもない。だがそれも束の間、茂市へ向かう途中で併走していた道路に別れを告げ、深い山へと入っていく。光も届かないようなところだが民家が点在しているのが見える。どうやって暮らしているんだ…。1832時、茂市に着いたところで思わぬアクシデントが発生した。
宮古駅。0934時の次は1450時。
傾き始めた陽光を浴びる列車。
このあたりはまだ国道と併走しているからいいが…
このあたりはもう生活圏外では…。
◯倒木 そして…
駅に停車した列車が動く様子がない。どうしたものかと考えていると川内付近で倒木のためしばらく停車するというアナウンス。なんということだ。おそらく原因は先ほどの雨。やり過ごしたと思っていた雨がこんなところで襲いかかってくる。アナウンスでは19時台に運転再開見込みと言っている。代替策を模索する中高生たち。迎えに来てもらえる人々は良いものだ。あたしゃ一人寂しく待つわ。だがそうなればただでは終わらない。茂市駅のスタンプを押し、駅舎の撮影をする。暗い中パシャパシャやってると駅員さんから「鉄道マニアの方ですか」と話しかけられる。応じると、「岩泉線は乗りましたか」「JRの代替バスが通っていた頃はもっと人も来てたんだけどねぇ」「廃止してからは降りる人がいなくなっちゃった」「岩手はバスが強いからね。冗談で、JRは新幹線だけになっちゃうって言われるよ」などと地方の実情を語ってくれた。切ない限りだ。山田線も今回、倒木だけで済んだからいいけど土砂災害とかあったらどうしようもなさそうだなぁ(※2015年12月に発生した土砂災害の影響により一部区間の運転見合わせが続いています)。さて、そんなこんなで遅れること27分、思いの外早く運転が再開された。車内の中高生たちはあまり気にしていないようだ。「後ろの方、女子乗ってるから行きづらいんだよなぁ。」中高生はどこも一緒か。
茂市駅。なぜかバスが横付けされていた。
駅舎内には岩泉線を偲ぶものも。
待合室の駅名標が物寂しい。
列車はまだ動かない。
◯おいしい大盛りで満たされたモリーオ市
この旅2度目の盛岡。もういい時間帯だったのでさっさと取っておいた宿にチェックインする。さすがに4日目となると疲れた。腹も減った。街へ繰り出す。4日目にしてきちんとした食事を取っていないことに思い当たる。最後の夜なのでちょっと名物を食べよう。駅にほど近い店で盛岡ジャージャー麺を頂くことにした。そもそもジャージャー麺を食べる文化がなかったのでこれは新鮮だ。やっぱりちゃんと食事をしないといけないなと痛感した。今更。
ようやく盛岡へ。
この日の宿。空きがあって良かった。
盛岡ジャージャー麺。じゃじゃ!!
食べ終わった麺の器にチータンタンというスープを作ってくれた。