◯秘境駅を目指して
ここ数年｢秘境駅｣が密かなブームになっている。辺りに民家が少なく、利用者も極端に少ない駅なんかが該当する。実は大都会･東京にもこうした駅は存在するのだが、おそらく大多数の人は青梅線とか五日市線とかを想像するのではないだろうか。ところがどっこい、23区内にあるにもかかわらずじぇんじぇん利用者がいないという駅がゆりかもめにあるというのだ。それは｢市場前｣駅。築地市場の豊洲移転のために作られたという駅なのだが、市場の移転は2016年11月。それまでは本当に何もないらしい。というわけで、なにもなさっぷりを見るために行ってきた。
◯休日おでかけパスisつよい
さてはるばる栃木から市場前駅だけ行くのもアレだし駅メモのイベントもあったことなので、｢休日おでかけパス｣でお得に色々と回ろうと思う。18きっぷなどと違い、東京モノレールにもりんかい線にも乗れるのでこれを活用しない手はないのである。というわけでなんともなしに羽田空港へ向かう。羽田空港を使う時は、搭乗手続きやら何やらでゆっくりと見て回れないことが多いので、この日は展望デッキやらロビーやらじっくり堪能できた。とはいえあまりのんびりもしていられないので、さっさと次へ向かう。続いて天王洲アイルまで出てりんかい線に乗り換える。
何をするでもなく羽田空港。
空港のわくわく感は最高。
いってらっしゃい。
東京モノレールで天王洲アイルへ。
◯鉄旅の原点
中学時代初めてコミケに行った時、りんかい線にも初めて乗った(はず)。当時鉄道と言えば、近所の真岡鐵道かJR宇都宮線くらいだった私にとって、りんかい線は実に衝撃的な路線だったのを記憶している。大崎、大井町ときて、品川シーサイド。｢駅名長ッ。てかカタカナて!!｣などと興奮する私を尻目に、続けざまに天王洲アイル、東京テレポートと追い打ちをかけてくるではないか。東京の駅って凄い、まだまだ知らない世界がある。この衝撃体験がもしかしたら鉄旅の原点なのかもしれない。
まぁこの日初めて降りてみた天王洲アイルは大したことなかったんだけど。
天王洲アイル駅。期待したほどじゃなかった。
桜が咲いていた。
臨海部の道路とか橋とかは割と好き。
東京テレポート駅。ダイバーシティが目の前に。
◯お待ちかね市場前駅
かなり分岐線…もとい横道に逸れたが、そろそろ市場前駅に行かなければ。りんかい線で国際展示場へ行き、少し歩いて有明駅からゆりかもめに乗り込む。この日は土曜日だったこともあり、車内はやたら混雑していた。これだけいれば市場前で降りる珍妙な人もいるのではないか。いないか。いなかった。一人降りてみた市場前駅は確かに何もな…くない。11月の移転に向けてもはや色々できあがってきている…。ああ、なんということだ。これじゃあ他の立派な臨海部と変わらないではないか!
改札口は閑散としている。
駅構内に清掃員はいました。
入口も閑散としている。
だが景色は割とごみごみしている。
案内標識はまだ青い。
豊洲大橋は工事中。
11月7日豊洲市場開場ですって。
結構車通りは激しかった。
◯まとめ
東京の秘境を楽しみにしていたが、思いの外行き交う人々が多かったので正直なところ拍子抜けであった。休日ランナーやサイクリストが普通に沿道を通過していたし。遅きに失した感は否めないが、それでも工事中の橋とかは見られたので、まだギリギリ大丈夫かもしれない(何がだ)。豊洲市場がオープンしたら今までのは何だったんだと言うくらい利用者は増えるだろうから、こういう祭りの準備的なところが好きなら今のうちに降りてみることをオススメしておく。
スタイリッシュなフォントの｢止まれ｣