♪めーむろめむろめーむろ道央 ♪めーむろめむろは最終日

 最終日に夕張支線が復旧しやがった。

 タイミングの悪さでは人類随一を誇る私である。1500時に新千歳空港を発つ便なのでどうあがいても行けない。ということで根室本線の数駅に降りて駅スタンプとご当地入場券を回収するだけのマシーンと化すことにした。それにしたって本数が少なすぎて0651時帯広発の列車だよ。やれやれだぜ。

帯広駅
朝日に映える帯広駅
キハ40
タラコ色がうれしい
キハ40
新得行きのサボは非常にシンプル
朝食
前日にセコマで調達しておいた朝食


 もう何度乗ったことやら、おなじみキハ40は北海道色の車両と、タラコ色の車両が連結されていた。まずはこれで芽室へ向かうのだが、車内は通学の高校生たちで賑わっている。こんな早くに出ないといけないのねぇ…毎度思うけど北海道の高校生は大変だなぁ。でも彼らは疲れを知らないのか実に生き生きとしていて、もう遙か昔に私が忘れてしまったパッションを持っているように思う。なんでそんな楽しそうな表情が出せるんだ…。青春の塊みたいな彼らを尻目に私は芽室駅に降り立った。



わがまちご当地入場券
わがまちご当地入場券芽室駅(26枚目)

芽室駅
誰もいない朝のホーム
芽室駅
有人改札は趣があるよね
芽室駅
いつもの北海道色のキハ40
川
汽車は自然の中をひた走る


 あー実にいい天気だ。こんな日は夕張にでも行きたい気分だよ(しつこい)

 芽室も根室本線上にあるから特急も止まる駅となっているけど、規模でいったら小さい町だろうから、ホントに駅っていうのは立地がものをいうんだなぁ。廃止される夕張支線がある夕張市の方がさすがに大きいんだろうし…と思いきや、夕張市が人口1万人いないのに対して芽室町は2万人弱いるじゃねぇか!!(ウィキペディア調べ) がんばれ夕張。もっとがんばれ。

何をしても一人 ——ゐ崎放哉

 0753時、芽室を発った2542Dで向かうは十勝清水駅。ここには0817時に列車が着くが、14分のバカ停があるのでもちろん降りてスタンプと駅舎の撮影、ご当地入場券の購入を済ませる。そして再びその列車に乗り込むのである。少しの時間も無駄にしないのがエクストリーム・乗り換え競技において高得点を稼ぐポイントとなるのである。嘘だけど。

 無事に一通りのことをこなせて時間に余裕を持って列車に戻ってほくほくしていたら、あることに気付いた。それは廃止になった羽帯駅のスタンプが十勝清水駅の隣にある観光ステーションに保管されているということ。やっちまった。もうなんか行かなそうな駅に限ってこういうことをするのが制服さんの悪い癖だ



わがまちご当地入場券
わがまちご当地入場券十勝清水駅(27枚目)

十勝清水駅
十勝清水駅にものどかな空気が流れている
キハ40
乗ってきた車両に再び乗り込む


 スタンプを押し忘れても一人。

 尾崎放哉ばりに一人である。さて、次に向かうのは新得駅だがここには苦い思い出が一つ。初めて訪れたときにスタンプ帳をがっつり置き忘れていったのである。押し忘れはなんとかなるが置き忘れはそれまでの思い出を全て無に帰す可能性がある、それはもう罪深きことなのである。その時は駅員さんが回収してくれて無事送り返してくれたのだが、試し押しの台紙と勘違いした旅の者がそれはもう怒濤のごとく私が押した上から押しやがったので新得駅のスタンプだけコレクションから漏れていたのだ。今回2年ぶり2回目の訪問になるのでしっかり奪還して白河の関を越えたい。



新得駅
2年ぶりに訪れる新得
新得駅
跨線橋に書かれた英語は何とも中途半端だ
新得駅
そうそう、こんな感じの窓口だった
新得駅
天気がいいと駅舎も綺麗だ



 新得には9時前に到着。40分ほど余裕があるから焦ることなくスタンプを回収できた。が、改札外に置かれたスタンプは劣化が早く、少々押すのに苦労した。この旅最後のご当地入場券も購入できたし、この駅でやるべきことは余裕を持ってこなすことができた。しかし時間があればあるで手持ち無沙汰感もあり、ついにポケモンGOまで起動してしまった。でも駅前でラッキー捕まえたぞラッキー。これが夕張だったら何を捕まえられたんだろうなぁ(しつこい)。



わがまちご当地入場券
わがまちご当地入場券新得駅(28枚目)



新得駅
新得は北海道の重心地なんだって
新得駅
駅前にあるのは機関助士の像かな
新得駅
朝ドラへの期待感が凄い
スーパーとかち
ここからは特急じゃーい

断ち切れぬ夕張への思い

 さぁ0926時、ここからは特急スーパーとかち4号で一気に南千歳駅まで行くぞう。到着時刻は1147時の予定だが、地震の影響で徐行運転をせざるを得なくなっているから数十分は遅れがあるとみていいだろう。当初は南千歳周辺をうろうろ乗り鉄しようかと考えていたが、フライトに間に合わなくなると怖いから南千歳からは空港まで直行することに決めた。

 この路線は石勝線である。とすると停車するのがこの駅だ。



 これまで意識しないことで我慢できたが、夕張支線の起点となる駅をまざまざと見せられたらもう限界だ。地震、そして復旧のタイミングの悪さにドロップキック。待っていろよ夕張。必ず行ってやるからな。

 悶々とした思いを乗せて走るスーパーとかちも徐行運転しながらも無事南千歳に到着した。そのまま快速エアポートに乗り込んでもいいのだが一応改札外に出てみる。すると駅スタンプが新しい絵柄に更新されているではないか。フムゥ、何でも確かめてみるもんだなぁ。

南千歳駅
久々の電車だ…
南千歳駅
石勝線0キロポストは駅スタンプの柄に



To be continued...

 時刻は正午前、新千歳空港に到着。皆さんも記憶にあるだろうが、この空港は地震の影響をもろに受けたので地震から10日あまり経過したこの日も、本当に飛ぶのか不安になるくらい閑散としていた。土産店は営業していたもののレストラン系が壊滅状態で、かろうじて開いていたフードコートはこんな時期に北海道を訪れた奇特な人々が食料を求めてこぞって来るもんだからそれなりに人口密度は高くなっていた。ぼくはジンギスカン丼を食べました。おいしかったです。


新千歳空港
地震の後ということでいつもの賑わいはない
新千歳空港
エスカレーターも封鎖されている
新千歳空港
フードコートのみ営業中です
ジンギスカン丼
松尾ジンギスカンでジンギスカン丼を食らう
 

 ジンギスカンを食べてもまだ時間にゆとりはあるのでやっぱりサクララウンジに入らせてもらう。どうせそんなに空港を使うことはないので、使えるときに使っておくのだ。うーん、マンダム。リッチメンだなぁ。こんなことならさっさとJALカード作っとくべきだったなぁ。ああ、そんなこと考えてボーッとしている間にフライトの時間だ。


鶴丸
JALの鶴丸はやはり美しい
サクララウンジ
新千歳空港でもリッチに過ごす
サクララウンジ
シックで上品な空間にご案内
新千歳空港
羽田に戻ります


 こうしてまたしても5日間の旅が終わってしまった。北海道胆振東部地震の発生から間もない今回の旅は否定的な意見もいくつかあった。「余震は大丈夫なの?」「もっといい時期に行けばいいのに」…否、この時期だからこそ行かなければならなかったのである。それでなくとも停電なんかもあって経済は停滞しがちなのだから、少しでもお金を落とした方が良いと判断したのだ(フライトのキャンセル料もかかるのが最大の要因だがな!!)。大変な中でも北海道の人たちは栃木からの旅人に優しく接してくれたのでやはり行って良かったと思う。今回の旅がちょっとでも力になれていたらうれしい。

 しかし本来は夕張支線に乗るために企画した北海道の旅だったので、これはまた日を改めて行くしかない。というわけで実は年が明けた2019年、真冬の北海道に行ってきたのであった。次回作の更新を待たれたい。またな!!

フライト
新千歳空港✈羽田空港